Ursula Coope "Time for Aristotle Physics Ⅳ.10-14"

  • Coope, Ursula (2005). Time for Aristotle: Physics Iv. Oxford University Press.

 

PartⅠ

・導入

・時間は変化ではなく、変化の「何か」である。

PartⅡ

・Ar.の次のステップ:どのようにして時間は変化と関係するかの説明。彼は、時間と変化、変化と「大きさ」(Coopeによれば、空間的に延長される大きさ)との間に成立するある依存関係の概略に進む。

 

 ところで運動変化するものは、何かから何かへと運動変化し、またすべての大きさは連続一体的であるから、運動変化は大きさに随伴したあり方をするものである。すなわち、大きさが連続一体的であるがゆえに、運動変化も連続一体的であり、その運動変化が連続一体的であるがゆえに時間も連続一体的なのである。なぜなら、運動変化がどれだけなされたかに応じて、時間もまたその分だけ経過したように思われるからである。

 ところで、「より先・より後」ということは、第一義的には場所におけるものである。そして、その場合には位置によってそれが定まる。ともかく「より先・より後」は必然的に存在し、それは大きさの場合と類比的である。のみならず、「より先・より後」は時間にも存在するが、それは常に運動変化と時間のぞれぞれ一方が他方に随伴する関係にあるからである。(219a10-19)内山訳

 

・引用文には様々な解釈・幾つかの問題がある。PartⅡ全体はこの一節の解釈に当てられる。

 

・時間⇒変化⇒大きさという随伴関係の説明

p.48~

・Ar.は随伴関係を導入:時間は変化に随伴し、変化は大きさに随伴する。

 XがYに随伴するとは、Yがある意味で、Xに優先するということ。

・しかし、その随伴関係が含意する優先関係は、認識論的な優先関係ではない。XがYに随伴するという主張は、Xのある重要な諸特徴が、Yの対応する諸特徴の故にそうなっているのである。

・YはXに説明的に優先している。

すなわち、大きさが連続一体的であるがゆえに、運動変化も連続一体的であり、その運動変化が連続一体的であるがゆえに時間も連続一体的なのである。(219a12-13)

 大きさの連続性こそが、変化の連続性を説明するのであって、逆ではない。

PartⅢ

この章は、時間を「数の一種」であるとする定義の含意を解明する。時間は連続的でありながらも、分割可能であるという意味で、(数えるための数ではなく)数えられる数である。そして、「時間は数の一種」として規定するAr.は、実際には「変化の一つの尺度」であることを意味しているという解釈(See n.24. : Moreau; Zeller; Hussey; Annas)を準備的に退ける。